お客様からご注文いただいたイメージを具現化すること……カスタム・ビルダーという仕事は「それを、どう具体的なカタチにするのか？」を問われるものと思いますが、この『SP-109』の場合、ペイントのイメージソースとしたのは1970年代の名車、クルマのBMW2002ターボ。この車両ではお客様のご要望により、70年代当時にポルシェとツーリングカー選手権を争ったモデルがモチーフとなったカラーリングを施させていただきましたが、たしかにコンパクトかつショートホイールベースを持ち、快活な走りを見せるドイツの名車とスポーツスターというモデルには重なるイメージがあるのかもしれません。
　その上で「スポーツスタータンクとピーナツタンク、どちらも好き」というお客様のご要望を伺い、タンクもワンオフで製作。加えて当店が過去に製作したスーパーXRエンジンを搭載した車両、『Bobshell』のマフラーを、お客様のご要望に則りスポーツスター・エンジン用にアレンジした上で、こちらもワンオフで製作させていただいています。
　ひとつのイメージ・ソースにアレンジを加え、具現化することも我々の仕事ですが、手前味噌ながら、それが巧く果たせたのではないかと自負出来る一台です。