お客様から伺ったご要望やアイデアと当店が持つ経験とセンス……それが巧く組み合わさり、時に相乗効果を生む場合もありますが、この『SP-106』は、そうした点で様々なピースが見事にハマった好例といえるかもしれません。
　ちなみにこのマシンのオーナー様は普段、もう一台の愛車としてヤマハSRを所有されているのですが、コチラの車両をカスタムするにあたっていただいたご要望のひとつが「自分のSRと同じようなモノトーンのカラーを基調とする」ということ。ワンオフで製作したテールカウルのカラーリングもオーナー様からご指示を受けたものだったのですが、要所、要所に『白』という指し色を加えることで、このマシンの軽快な印象に繋がったことは間違いないと思います。スタイルコンセプトとしてはヴィンテージ・ダートトラッカーを踏襲しているのですが、タンクはオーナー様が跨った際に『人車一体』のバランスとなるよう配慮し、ストックの2.5ガロンよりも若干ロング＆スリムなフォルムなものをワンオフで製作。カスタムとは、それを走らせるオーナー様がいてこそ完成の姿を見せるものですが、そうした部分でも当店としては満足いく仕上がりになったと自負出来る一台です。